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Channel: 美少女レスラー桜庭愛♪
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鎮守の森

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広大な森が生い茂り古めかしい鎮守の鳥居がある六供町の八幡神社。
そこは昼でも薄暗く、夏ともなれば日差しをさえぎり心地よい風を運ぶ。
そこに狼耳の神様が住んでいた。六供町の土地神にして町内を守護する産土神。
小さい頃、よくこの森に入り、この小さな幼馴染と遊んだものだ。
桜庭家はこの群馬の地を治める土豪の家系であったという。
この森はその頃から桜庭家の領地として知られていた。
領地といっても神の神域である。
くー…すー…っと寝息を立てている親友を起こさぬようにそっと布団から這い出す
冬だというのに社の中は暖かくそっと、夜に輝く満月に目を細めた。
鎮守の森は迷いの森とも呼ばれていた。
3km程度の森なのだがその森に不用意に入ることは固く禁じられていた。
愛は父との折り合いが悪かった。
桜庭家の跡目として厳しく躾、時には過度の暴力に発展することもあった。
この森はそうした父から逃げる避難所であり正式に跡目を継いだ後は愛の管理地となった。この森は祖父から八極拳を学んだ思い出の土地であり、亡くなった後は
祖父に拳法を伝えた天狗たちから武術を教わった。

群馬が天魔に蹂躙されていくなか森は氏子を守りひとりの少女を鍛え上げた。
再び、布団に潜り込み、狼耳のこの鎮守の森の主に愛は身体を寄せる。
そして、再びまどろみのなかに心を委ねて…

鎮守の森は再び静寂に支配されていくのだった。
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