○桜庭愛(13分25秒.鉄山靠）アニー・ビーチ●
飛び技には定評も高く、その一撃は「天使」と見間違うという華麗な空中殺法で観客を湧かせるアニー・ビーチ。この日のリングもその勢いは衰えず、ローリングソバットやドロップキックで先制を決め、試合の流れを掴む。
「さぁ、行くよ♪」
軽快なフットワークで愛を翻弄し、背後に回りこむとバックドロップを一閃！
叩きつけた衝撃に愛は苦悶のあえぎ。そのままフォールカウントを叩きつけるが、
愛はカウント２．５で切り崩す。
「ん、さすが、愛ちゃん。でも、これでフィニッシュだよ♪」
愛のガッツを賞賛しつつ、アニー・ビーチは観衆にアピールを行い、
倒れた愛の身体をロープに振って、自らもロープの反動を利用し身体の泳いだ桜庭愛に全体重を叩きつける様な決め技のフライングニールキック！
「うぐっ、あぅぅ」
「うぐっ、あぅぅ」
突き抜けるような衝撃に愛の身体がマットに這わされ、ダウンを喫する。
だが、片足を掴み、フォール体勢にもっていったアニーをカウント２．８で返す愛.
「そんなっ、･･･これも返すの？」
愛の驚異的な粘りに呆然とするアニーだったが、
ふらつく愛を見るとダメ押しのスリーパーホールドで今度は失神KOを狙う。
頚動脈を絞められ苦悶のあえぎとアニーの二の腕を吐き出した涎まみれにしつつも耐える愛。震える指でロープを掴み、咳き込みつつも未だ闘志は陰りがない。
強い光彩を放つその瞳の色。
「いいよ。愛ちゃん。もっと、もっと、熱くさせて」
その瞳にアニーも感化され、高角度のバックドロップからフライングニールキック。愛を何度も窮地に追い込んでいく。
ハァハァハァ･･･何度もフォールカウントのピンチを脱していく愛。
「なら、最後はこれで終わらせてあげる」
アニーは焦燥感に駆られ、愛の両腕をフルネゾンの状態に掴み、ドラゴンスープレックスに叩きつける。衝撃で愛の後頭部がバウンドし、投げっぱなしの状態に。
「あぐっ、あああああーっ」
痛みに悶絶しつつも愛はふらふらと立ち上がる。
しつこく立ち上がる愛の驚異的な負けん気。アニーはなりふり構わずトドメとばかりに愛の身体をロープに振り、フライングニールキックの体勢。
しかし、アニーのニールキックが叩き込まれる瞬間、愛は大きく踏み込んで自分の背中で受ける形。背面体当たりがアニー・ビーチの必殺技を吹き飛ばしコーナーに強かに叩きつけ崩れ落ちたポニーテールをやさしく抱きかかえる様に愛のカバー。
３カウントをもぎ取った。