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Channel: 美少女レスラー桜庭愛♪
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プロフェショナルレスリング

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観戦していて色を失っていく三人。
私はそれを黙って見ていた。ここで行われている試合はそういうものだから。
・・・リングにあがる「覚悟」価値を見せる場所であると私は思う。
相手を倒して自分の価値を評価されるか、相手に負けて自分の価値を失墜させるか。

それは「平等」だと私は思う。
相手に犯される場所でもあり、逆に相手を犯していい場所。

「・・・これが、美少女プロレスですの?」
震えている知世が後ずさるのを見て、私は彼女に呟いた。
「ええ、これが、あなたたちが上がろうとした場所。言ったよね、・・・覚悟がないのなら此処にくるべきじゃない。それはこういう事よ」

リングの上ではあざみが相手を持ち上げ、パイルドライバーで叩きつける。
相手の悲鳴や懇願など関係ない。嗚咽と苦悶のあえぎが会場を盛り上げていく・・・

それをじっと見つめ、呆然としているさくら。
「桜庭さん、聞いてもいいですか?」
「何を聞きたいの?」

・・・今の私じゃあ、何もできません。でも、強くないたいです。

友達を悲しませたくありません。
そして、意地悪をしてくる悪意に私は屈したくないです。

「・・・私を鍛えてくれますか?」
さくらは私を見つめた。振り替えり、強い光彩が瞳に宿っている。
その輝きは誰かに似ていた。その瞳の色は、私はとても身近で、大好きなもの。
イメージ 1「言ったよね、ここはプロレス。」
・・・キャットファイトまがいのプロレスではない。

リングにあがるのなら、闘える身体にならないとダメだ。
闘いを見せる舞台なのだから。

「うん、鍛えてあげるよ。闘えるように」

「あと、愛ちゃんって呼んでくれていいよ」

相手も「勝つために」自分を鍛えてくる。
なら、自分も「勝つために」鍛えなくちゃダメだよね。私はそう思うよ。

三人の瞳が変わっていくのを愛は感じていた。
「勝つ」事は相手を否定し、相手を押しのける事。
しかし、相手に認めさせ、相手に賞賛される「勝ち方」がプロレスは出来ると思う
それこそ、桜庭愛が目指した。作り出した「美少女プロレス」なのだから。

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