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Channel: 美少女レスラー桜庭愛♪
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戦闘列島ZIPANNGU

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未明、東京首都直下型地震。震度9.9を観測した大震災によって首都機能は崩壊
電気の通わない真の暗黒がその存在を呼び起こした。曰く、怪異。
人々はかつての恐怖を再び味わうこととなる。
子供も頃に夜に怯え、そこに蠢くものを肌で感じた恐怖。
明るい町に安堵し、ネオンに安心を求めてしまった今の現代人にとってその恐怖は名状し難い重圧になり精神を病ませる。人々が文明の光で払拭し、闇に葬ったはずの歴史
それが洪水のように溢れ出そうとしていた。

交錯。切り込むような蹴りをよけて着地した男は口元を引きつらせる。
それが笑みであることを数度の対峙のなかで知ったが、それを笑顔とは許容できない
嫌悪感。その笑顔にはそれが先にたった。

とても、正視に堪えるような醜悪さ。
「・・・桂。ふふふっ、よくぞ、我が眼前に再び立ち塞がった」
鷲鼻の男はそう囁いた。
「・・・転生してなお、我が野望を挫くために現れるか。」
男は笑う。その喜悦を狼のような相貌で低く睨みつけている。
記憶は混濁しているものの、その男の顔ははっきりと覚えている。その微笑も・・・

「しかし、惜しいかな」
男は残念そうに嘆息した。
「まさか、女とは、筋力は落ち、あの頃の面影はその速さのみ」
男はクックッと身体を揺らした。その様子をまじまじと見つめていた少女は立ち上がる。長い黒髪が夜気に揺れ、しなやかな猫科の肉食獣を思わせる肢体

「あなたは変わらないのね。その顔、嫌いだといったよね」
少女もまた、男に伝える。自分が過去、転生前の記憶を有していると宣言するように
古めかしい帝国陸軍の軍帽、軍服の老人。顔に刻んだ皺とは対照的に、
その異様なまでの眼孔がこの異様さを如実にあらわしていた。
イメージ 1

「それに、昔の名前なんて知らないから
今は、私は、【桜庭愛(サクラバマナ)】よ?」

少女はそう、身構え、微笑んだ。
男は少女の笑顔をみて告げる。
「忌々しい顔だ。その顔。たしかにお前はあの男だ」
俺の仇敵よ。

そう、男は手を翳した。
白い手袋に星型の紋。ドーマンセーマンが刻印されて
男は早口に呪を唱えた。それを見て少女は黒いブーツに力を込めて駆け出した。

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