第９試合『タッグマッチ』（３０分１本勝負）【２９】
●桜庭愛（ １７分１８秒）結城千種
富沢レイ（フライングニールキック・片エビ固め）武藤めぐみ○
●桜庭愛（ １７分１８秒）結城千種
富沢レイ（フライングニールキック・片エビ固め）武藤めぐみ○
(タッグかぁ･･･)
そう、ため息が出てしまうほど、桜庭愛は憂鬱だった。
多数vs一。ストリートファイトからはじまり女子プロレスラーになった今でも、
タッグマッチは苦手としていた。美少女プロレスの興行も軌道に乗り、ファンの要望もあって水着剥ぎトーナメンントの開催が決まった。
･･･それまでは良かったのだが、予定していた選手枠よりも応募が多く。
それに対応した結果、･…自分も出場しなければならない状況に陥ってしまった。
･･･憂鬱である。出るからには勝ちたいと思うのは業腹だ。
負ける試合などもってのほか、そう、常に思っている。
「まな.ちゃん。スパーリング形式で試合してみようよ」
親友の武藤めぐみ.結城千種が助け船を出し、急遽、試合が決まった。
広報＆経理の理沙子さんの鶴の一声で、
「･･･それじゃあ、宣伝もかねて、公式の試合にしましょう」
そして、試合は･･･
結城千種のラリアートが私にクリーンヒットして場外へ叩き出した機に、武藤めぐみの打点の高い跳躍力からのフライングニールキックが富沢レイを撃墜して一閃。
あっけない幕切れで、私の試合が終わった･･･