カプコン×ナムコ×セガのクロスオーバーゲーム。
そんな舞台を下地にしてss。
封鎖都市の濃霧のなかを一人の少女が行く。
蒼い長剣の神機を携え、腰溜めにいつでも振りぬけるように腰を落としながら・・・
フェンリル極東支部・強襲中尉。それが少女が得た肩書きだった。人々を脅かす脅威「アラガミ」から守るための力を奮い
偏食因子によって膂力は人の数倍まで高まっている。その少女は違和感を感じていた。
・・・懐かしい景色だと思った。この霧のなかに浮かぶ町並みは・・・荒廃したアラガミに捕食されていない虫食いだらけの
町並みではない。・・・かつての幼い頃の記憶?、いいや、違う。・・・これはこの世界の私の記憶だ。
・・・並行世界、桜庭愛という存在をとうしてすべての世界の桜庭愛の知識と力を移乗したということののだろう。
作戦中に行方不明となったソーマとアリサ、そして、リンドウの捜索にでた自分はあの未来の世界にいるが、
いま、ここにいる自分もまぎれもない自分自身。自分をコピーしたようなものだと一人納得する。
「リーダー、探しに来てくれたんですか?」
オウガテイルが塵になっていくなか抱きついてきたアリサ・イリーニチナ・アミエーラに微笑み、
それにやれやれと同僚のソーマも安堵している。そして私は見知ったいくつかの顔に挨拶をした。
「こんにちわ・・・零児さんとシャオムウさん。」
それに対して有栖零児は面食らった様子だ。
「お主、ワシらが知っている「桜庭愛」なのか?」
・・・知っている。彼らとともに此処とは違う場所で彼らとともに戦ったことを私は思いとして記録している。
それは、白い道着の親友やICPOの女性刑事とも面識がある。彼らとともに様々な世界を渡って大冒険をしたのだ。
[・・・キミは俺が知っている「桜庭愛」なのか?」
リュウにいわれ、コクンと頷く。この世界の私は女子プロレスラーとして多くのストリートファイターと絆を結んでいる
リュウとともに旅をしたし、地下闘技場に潜入した春麗の手助けをしたこともあった。
そのかけがいのない思い出を胸に「私たちは」ここにいる。
「つまり、リーダーは私たちのリーダーでありながら別の世界の人間でもあるという」
アリサの疑問に苦笑しつつ、感応能力が自分を同一させたんだと思うよ。同じ時間軸に同じ人間がいないように
「タイムパラドクス」が起これば時間軸に多大な影響を与えるためだろう。
・・・主としての構成素体は、「神機使い」の私。
サブとして現・世界の格闘技能がインストールされている。その中には「仙術や陰陽道」といった魔法も含まれている
この経験が・・・のちに「ブラッドアーツ」として昇華されることになる。そして・・・物語の舞台は幕をあけた。