「魔の種ね・・・」
その噂にいぶかしみつつ控室にはいった。
(相手の闘争本能を掻き立てる作用のある魔法具・・・?)
別にそれが「卑怯」というつもりはない。
+αだと言えば、納得する。
此処にあがる選手にはそういう存在も確かに存在する
だが、それが「種」であるという事が問題なのだ。
(・・・何が孵化するのか?それとも発芽かな?)
撃退士として活動もしている。陰陽師として霊能のトラブルも処理しているその類の
呪具でないことはわかっている。所属している選手にそれを所持したり、
感染している者はいなそうで、今後の事態に備えなければと・・・考えていた。
制服を脱ぎ、蒼いチューブトップのハイレグ姿になりつつ試合会場へ。
ロッカーの鍵を受付に渡し、試合開始まで待機する控室に。
そこからリングまで薄暗い廊下がつづき、左右に分かれる。
・・・ここから先は、左右の入場口であり、対戦相手と顔をつき合せるまで誰とも会わない。シンプルであり、そこに真剣勝負以外の不要なものは一切付与されない。