○武藤めぐみ(19分16秒.ムーンサルトプレス)
桜庭愛●
煌々と輝く証明の光は薄暗い会場からリングを浮かび上がらせ黒髪を靡かせ、天真爛漫な笑顔で愛嬌を振りまく桜庭愛がロープをくぐりリングイン。
「今日は負けないよ」
そう、愛に微笑む武藤は腰を落とし、身構える。
鳴り響くゴングの、試合開始の鐘の音。リングの中央で腕四つにぶつかり合う両者。
一進一退の攻防の中、徐々に桜庭愛が武藤を押し始める。
「くっ・・・あう。」
背中にロープの感触にビクッと身震いし武藤が均衡を破りバックステップ。
愛はそれを見逃さず、腕を振り上げ武藤めぐみの胸元に力強く逆水平チョップ。
痛みに苦悶のあえぎ。蹈鞴を踏んでしまった武藤の身体を掴み、ロープにリリース。
「あぐっ、ああああーっ」
ビクンッと愛の大きく振りかぶったラリアットが直撃し、マットに大の字になる。
愛はすかさず、武藤の身体をうつ伏せにして逆エビ固め。
「くはっ、あああああああーっ」
歯を食いしばりロープに手を伸ばす武藤。ロープブレイク。
その声に、愛は武藤を一瞥し、残念そうに距離を取るのだった。
間合いを広くとったふたり。中盤は武藤めぐみの流れに染まる。
掴み掛かろうとする愛をロープ際まで陽動した武藤めぐみが、延髄斬りで愛の動きを止め、体勢を崩した愛に叩きつけるシャイニングウィザード!
「あうっ、あんっ、あんっ・・・」
側頭部を強打し、マットに大の字になった愛をコブラツイストで締め上げつつ、
「あっ、やぁん・・・あっ、あんっ、あんっ・・・」
上半身を軋ませつつ、愛の股間に指を擦りつけ刺激を加えていく。
汗だくに呆然としてしまい腰をガクガクと震えさせ身震いして崩れ落ちた愛。
「さぁ、これで、終わりだよ!」
トップロープに上がった武藤めぐみがリングの中央で混濁とした瞳で大の字になってしまっている桜庭愛目掛けて強烈なムーンサルトプレスをお見舞いし、押さえ込み
3カウントで逆転勝利をもぎ取った。