●結城千種(18分06秒.桜庭ドライバー)
桜庭愛○
誰にも自分の負けられない思いがある。
この技は私の得意技という矜持や,自負がある。
それは、レスラーにとって大切なプライド。
試合開始のゴングと共に、リング中央でぶつかり合った双方の力比べを制し、結城千種のドロップキックからはじまった試合は、苦悶の表情の桜庭愛を抱き起こし、フロントスープレックス。
「あうっ、ううっ・・・!」
マットをバウンドし、受身をとって立ち上がる愛に結城は低い体勢でタックルを狙う。しかし、桜庭愛は、この勢いを殺さず、DDTで切り返し、結城は後頭部を叩きつけて顔を顰める。ダウンを喫した結城を愛は背後から回りこみ、結城千種の得意技、バックドロップで身体を叩きつけフォール。
《カウント2》
レフリーのマットを叩くカウントを2つで切り替えした結城千種。
・・・明らかに、ムッとした表情で愛を睨みつけている。
「んっ、何?自分の得意技で負けるのが嫌だった?」
桜庭愛のこの挑発に、結城の平手打ちが桜庭愛の頬を張る。
一瞬、きょとんとし表情になる桜庭。痛みが実感していった時、野太い笑みになる。
・・・結城千種の身体が蹈鞴を踏んだ。
愛のアッパー気味の掌打を受けて、しかし、食い下がるように間合いを詰めて、
愛の黒髪が躍動し、苛烈な打撃の応酬に試合は発展した。
「がはっ、あああああーっ」
叩きつけられた膝を下腹部にもらい、口から吐き出された涎と空気、
手数の多さは桜庭愛に分があり、多彩な中国拳法に翻弄され、何度も叩かれた身体には無数の打ち身が腫れ上がっている。
しかし、打撃で圧倒されていても、結城千種は折れない。
・・・そんなものでは倒れないと疲弊した身体が、愛を睨む瞳の輝きが物語っていた。
・・・攻めている方が疲弊していく状況。結城千種の意地を絶つには、
「打撃」、小手先ではだめだ。・・・愛はそう、覚悟を決めた。
桜庭愛はフェイントを用い、結城の足を蹴った。ローキックで転ばせると、腹部に腕を回し、パイルドライバーの体勢へ持っていこうとする。
指先で結城の股間を刺激し、力むs力を弛緩させる。
結城の口から小さな嬌声があがりはじめ、一気に開脚式パイルドライバーの体勢に
「あっ、あああんっ、あんっあんっ、あんっ・・・!」
顔を埋め、汗で湿った生地に舌を這わせていく、ぷくっと膨らんだ陰核を器用に探り当て刺激と愛撫を繰り返す。小刻みに結城の身体が快楽に震えた。
「逝くよ!」
愛が叫び、背中からマットに叩きつけられる衝撃に、意識が飛ぶ。
両肩をマットに押し付けられる桜庭愛の得意技。股間からはじけた衝撃に汗だくの身体はピクンピクンと震えている。
呆然とマングリ返しで、カウントを聞いてしまう結城。
半失神状態で3カウントのフォール負け、試合終了のゴングが乱打された。