美少女プロレス。
試合会場は地下フロアの中心に位置し、四方30席の観客席を要した広さがある。中央のリングを囲んで椅子が並べられ、
試合によっては場外乱闘に発展する。
「試合を見せる場であるという強い意識から素人は上げない」
一定期間のトレーニングによる体力作り、技の訓練を一定以上行った者だけがリングにあがれるルールがありそれを徹底している。
「ようこそ、私のリングへ♪」
桜庭愛は恭しくお辞儀をした。水着の上にトレーナーを着ている様子で、
まずは会場を案内するといった友好的な笑顔で微笑んでいる。
「はい。」
三人の重なる元気な返事に先頭に立って会場を見渡せる来賓様のフロアから
「このリングに上がりたいと仰るのですよね。」
「はい。私たちは此処で葉月さんと闘いたいのです」
・・・葉月あざみにも困ったものだ。気に入った相手に喧嘩を吹っ掛けリングに上がらせる。そこで、痛めつけるのだ。まさに悪役レスラーといった趣。
・・・わかりました。ですが、今の貴方たちをリングにあげる訳にはいきません。
義憤や怒りにリングに上がろうとする少女たちを押しとどめる。
「どうして・・・どうして、あんな酷いことしたアイツを庇うのですか?」
「・・・庇ってはいません。怪我をされては困ると言っているだけです。葉月は強いです強くなければ勝てない相手。・・・ですので、強くなるのをサポートさせてください」
「・・・庇ってはいません。怪我をされては困ると言っているだけです。葉月は強いです強くなければ勝てない相手。・・・ですので、強くなるのをサポートさせてください」
こうして、契約書にサインさせ、練習生を得た。
「あらっ、愛。また、選手が雇用できたのね。おめでとう。」
三人が帰った後の事務所にセミロング姿の女がいる。その女を見て私はにらみ返す
「・・・あざみ。誰も頼んでないから。」
「あら、そう? 親切の押し売りになったかしら?」
「あら、そう? 親切の押し売りになったかしら?」
ムッとした顔にわざとおどけてみせる葉月あざみ。
「悔しかったら、私に勝てばいいじゃない。出来るならね。」
そう、方々で喧嘩を売るのをやめてほしい。お陰で「試合」のエントリーが殺到よ
「それこそ・・・あなたが望んでいたものでしょう?」
「勘違いしないで。憤怒や嫉妬、闇の感情で集まった人はいつか場を乱すわ」
あざみはクルリと向きを変え、控室に去っていった。
「あざみ!」・・・愛はその後姿にキッと睨む。
「あざみ!」・・・愛はその後姿にキッと睨む。
満員になった観客席を見つめる愛。今日も試合開始のゴングが鳴り響く・・・