失態。

第３試合 30分１本勝負
○富沢レイ（17分26秒.サソリ固め）桜庭愛●

　ゴングと同時に、桜庭愛が掴みかかり、

リングの中央で力比べの展開。額に汗が浮き出るほどの拮抗を破ったのは桜庭愛。一気呵成に富沢の身体をコーナーポストに叩きつけ、下腹部に強烈な膝蹴りを叩きつける。

「あぐっ、うぅ、うっ、ううっ･･･！」

この一撃に苦悶の表情を浮かべる富沢。嗚咽のように吐き出した唾まみれた口元。

これに切れた富沢がハイスパートレスリングを展開、ラリアットを桜庭の胸元に叩きつけ蹈鞴を踏ませると。身体を掴んでロープに振りフライングニールキック。

「あぐっ、あ、ああーっ」

叩きつけられた富沢の身体に脳震盪を起こしたのか･･･起き上がるのが遅い。

そんな桜庭に体重を乗せたフェイスクラッシャーで顔面をマットに叩きつけて、勝機を掴んだ富沢は、アピールの後、ダウンしている桜庭愛をサソリ固めを決める。

「あぅ、あ、痛い、ああああああああああああああああーっ！」

まだ、脳震盪のダメージが残っている思考で、このサソリ固めは外せず、

無念のギブアップ。

試合終了のゴングが鳴り響く中･･･

左右に頭を振りつつ、愛は悔しそうに項垂れていた。

 　しかし、島津姫久はこの日、驚異的な粘りを見せて、井上美香の大技を受けながらカウント２．５、２．８とギリギリでフォールを逃れて行く。逆に１３分過ぎには、疲れの見え始めた井上美香にみぞおちを狙ったスピアーから裏返しのシュミット式バックブリーカーと、お得意のみぞおち攻撃を連発、井上美香をカウント２．９まで追い込む。

　しかし、最後は格の違いが出たか、井上美香がパワースラム、垂直落下式ブレンバスターからの連続技でフォールに持ち込んだ。