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Channel: 美少女レスラー桜庭愛♪
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此処が争いの修羅の庭

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イメージ 1 地下フロアで行われている「美少女プロレス」
桜庭愛の強さは不動のもので、破れたあざみも認めるところである。何度となく試合を繰り返し、あざみの心は既に愛ひとりに注がれている。他の子に意地悪をするの桜庭愛を独占したいが為、多くの美少女レスラーが集うこの場所で、
元チャンピオンの立場を利用し、あざみは愛が気に入りそうな子を次々と辞めさせようとしていた。
(・・・愛ちゃんが愛してくれるのは私だけでいいのよ)
自分を負かした相手。
・・・自分の初めてを捧げた相手。それは「初恋」に近い。
 木之本さくらを苛めようとしたのもそんな理由からだった。

その他にも、愛をライバル視しているのは、武藤めぐみをはじめとしたレッスルエンジェルスたち。桜庭愛の先祖、源頼光の家臣の末裔、碓井由里、佐方喜美子。従姉妹の皆本ひかる。愛が神剣を借り受けた事で知り合った異世界の神の転生者たち。

そのすべての女の子たちが愛という頂点を目指している。
そして、今まで出会った女の子たちをこの場所に引き入れたのも桜庭愛だった。

大江山摩耶率いる鬼門を打倒し、しかし、摩耶と取引して地下プロレスの所属とした。此処にすべての勢力を押し込める。【美少女プロレス】構想の為に。

・・・桜庭愛という少女はとても独善的な正義の味方であった。

「まあ、鬼門の子たちは人を襲う可能性があったから、局所的にこの場所に管理すれば町の被害は最小限に抑えられるし、18禁仕様というルールは精気を吸うという彼らにとっても譲歩できる環境だったって訳♪」

・・・此処には、撃退士も多く駐屯できるし、
地下街の各商店は源氏の末裔たちが多く出店してるから仮に戦争になっても速やかに対応できるのは利点だよね。そういった意味でも勧誘に余念が無い。
「・・・先輩、回覧板です。」
そう、執務室のドアをあけた長い黒髪に儚そうな印象の碓井由里が入ってきた。
「ん、ありがとう。・・・悪いわね。由里ちゃん」
陰陽師の家系である碓井家のご令嬢。私の秘書として腕を奮ってもらっている。
「そんな、世が世なら、先輩はこの町の領主なんですから」
・・・にゃははっ、今が平成の世の中でよかったわ。
「うちのタッグチャンピオンは由里ちゃんと貴美子だよね。・・・それを追撃する形で各勢力が試合を申し込んできてるね」
「はい。有力なのは、めぐみさんと千種さんの「めぐちぐ」です。」
レッスルエンジェルスたちの中でも彼女たちは強いと素直に評せる。

「・・・それで、先輩。さくらさんの方は?」
由里が顔を曇らせるのは、葉月あざみを警戒してだ。
 「・・・デビューの日取りは現在調整中。あざみには一応、念押ししておいたよ」

今は自主トレで調整してると思う。

「でも、先輩。タッグ戦にエントリーしないのですか?」
「あっ、パス。組むのって好きじゃないの。あざみにも誘われてるのだけど」

・・・一瞬、由里が辛辣な表情になる。
(・・・あっ、すごい無表情で睨んでる。・・・しないから。組まないから)
 
「・・・すみません。先輩が誰と組んでも私は別に?」
「だから、もう、拗ねないで。」

そんなやり取りをしているとボーイッシュな女の子が入ってくる。
「まな。仕事終わった?」その言葉に由里は貴美子を睨む。

「・・・まだ、時間には早いと思います。佐方先輩。」
意中の先輩との団欒を邪魔した闖入者。そんな刺々しい視線。
しかし、当の本人は意に返した様子もなく、笑顔で微笑みかける。

「・・・そうだっけ?、まあ、退屈でさ。早く、トレーニングしたいんだよ」

天真爛漫な笑顔に毒も抜かれた様子で由里はため息。
「・・・ん、もーちょい、待ってて。貴美子。先にはじめててもいいよ?」

佐方喜美子。私と幼馴染の間柄で。喧嘩友達。
由里がサブミッションを得意とし、彼女はパワーファイトを信条にしている。

私たち三人は幼馴染だ。
トップをその三人で占めているのは元々、ここが対鬼門の城砦だったから。

「ん、じゃぁ、そんな感じで進めて頂戴」
そう、告げると愛は席を立つ。この場所のオーナーとしての責務は終わり、

一人の「美少女レスラー」になるのだ。
長い黒髪を揺らし、階段を下りていく・・・控室へ、そこで、蒼いハイレグ水着に着替えるために。

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