…常々、考えることがある。
自身の『本気』について。レスラーの本気とは相手に負けを認めさせる事に本分がある。自分が相手より強い。それだけではダメで相手の技を如何に受け、それを凌駕した場をもって世界を制する事だと愛は考えていた。
○本多サキ(16分02秒.フェイスクラッシャー)
沢登真美●
「あうっ。」
「あうっ。」
胸元を強く叩く音が会場に響き渡る。本多の一撃に沢登は悲鳴をあげて蹈鞴を踏んでしまう。その後退した沢登の首筋に身体ごとのラリアットが炸裂し、後頭部をマットに叩きつける。
「あ、あがっ、ああああーっ」
悶絶してしまった沢登真美をサソリ固めで下腹部を圧迫するような反りに苦悶のあえぎ。何とかロープブレイクで技を解除したものの、大きくスタミナを消費して動けない沢登を高角度のブレーンバスターで背中をマットに叩きつける。
ビクンッと大きく身震いして本多のパワーに翻弄されてしまう沢登。
…何とか状況を好転させようと得意の打撃で打開策。しかし、ミドルキックで悶絶させるものの一発で好転できるほど本多は甘くはない。
蹴りを避け、喉和落としで再び、沢登をマットにたたきつけると。ふらふらになってしまった死に体の沢登を背後から強襲。
フェイスクラッシャーで意識を刈り取るようにをフォールしてKO勝ち。