「逢魔の影は完全に消えた…」
だが、あの男がそう易々と目的を変更するとは思えない
これが嵐の前の 静けさである。そう桜庭愛は感じていた.
・・・美少女プロレスは「女子プロレス」である。
そこには必ず「勝敗」がある。
愛もまた、常勝無敗ではなく勝つ試合もあれば敗北もある。だが、常に負けている選手も確かに存在するのも承知していた。
「負けるのは一歩及ばなかったから」
それならば、次は頑張ればいい。そう思う前向き思考は桜庭愛の美点であるといえる。だが、そう思うのは桜庭愛の思考であり、そう思わないものが大部分である。
美少女プロレスの内部でまことしやかにある「噂」が流れていた。
身に着けるだけで力があがる付与アイテム。
負け続けている選手がもつ願いに反応する小さな願望器。
・・・ある選手から告げられたその真偽定かではない魔法のアイテムは【魔の種】
その力で連勝をつづける力に魅了される多くの美少女レスラーたち。
装着者の名前は「葉月あざみ」
逢魔が桜庭愛に対抗するために用意した美少女レスラー。