Quantcast
Channel: 美少女レスラー桜庭愛♪
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2180

ホールドアップ ~怨敵、再び合間見える

$
0
0
イメージ 2
「神気」それが少女が得た力。念彼観音力。
鬼神力に対抗すべき自然の気。それを「拳」に込める。それが、鬼神すら退ける霊撃の拳である。
身体に纏わせ、蹴りや拳に乗せて魔を砕く。

自分の体内で生成する「オド」
自然界に循環し生命の根源たる魔素「マナ」

少女は呼吸するたびに魔力を生成し力に変える竜の子
藤原秀郷と琵琶湖の龍神の間に生まれた半竜の出生.

幾重にも少女の身体を神気が駆け巡る。
逢魔三郎は狼狽した。手袋に描かれた呪紋が効力を発揮する前に飛ばした式神が霧散したからだ。たかが、少女の拳に殴られた程度で・・・
日本を呪う復讐鬼。まつろわぬ化外の民。大和朝廷から鬼と蔑まれ日本人でありながら戸籍もなく虐げられてきた山の民の末裔。
それが自分だ。ゆえに妖術に通じ、陰陽道を究め、日本を呪うべく首都直下型地震を起こし東京の地下奥深くに捕らわれていた怨霊たちを目覚めさせた。
それを阻むのは、かつて明治の頃、依童とした辰峰家の邸宅で合間見えた文豪・幸田露伴ではなく、陰陽道の宗家,土御門康永でもない。俺を憎み、幾重にも邪魔をした巫女.恵子でもない。
違和感。逢魔三郎は今一度、少女の顔を睨みつけた。
・・・その顔、憎憎しいまでの不敵な面構えがある男を連想させたからだ。

「・・・きさま、桂か?」
イメージ 1
邸宅に招き、友ともてなしたのにも関わらず戦場でおれの右目を射抜いた男
首を晒され恨みの怨念は常にあの男に。

血風香る京都の闇。官軍に肩入れし、幕府を呪ったおれの前に現れた侍。
新撰組十一番隊組長、おれの呪を悉く呪詛返しし五稜郭の戦にて冥府を開いたおれを殺して地獄に突き落とした男

「古い名前ね。それ、最初の私じゃない。情報が古いわよ。」

その声、紛れもない。憎き怨敵。
鷲鼻の男は狼のように獰猛にわらった。

「・・・いまは桜庭愛っていうのよ」

「そうか、桜庭。覚えたぞ。
幾度となく俺を倒したものよ。幾重にも
つづいた夜の帳、
おまえの命で決着とさせてもらう。今度こそ・・・おれの勝ちだ」

それに腰まである黒髪の少女は蒼いハイレグ姿で身構えた。
「御託はそれでおしまい?だったら、かかってきなよ。相手になってあげる」

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2180

Trending Articles